愛媛県松山市の婦人科|松岡婦人科クリニック | クリニックブログ

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新型コロナワクチン

新型コロナワクチンの高齢者接種が始まります。

4月23日に対象者に、接種券付クーポンが郵送されたそうですが、詳しい予約方法のご案内が同封されていなかったそうです。
 

広報まつやま51日号で、予約方法のチラシは配布されるそうです。

 

 〇送付対象者 65歳以上の高齢者(令和3年度中に65歳に達する人を含む)

 〇予約開始日 令和3510日(月)830

 〇接種開始日 令和3522日(土)集団接種

        令和3531日(月)個別接種
 

 〇予約方法  コールセンターでの電話予約

        松山市HPからのWeb予約

        松山市公式LINEからの予約


当院へお電話をいただいても、新型コロナワクチンのご予約はできませんので、上記方法で予約をお取りください。
2021.04.25

子宮頸がんワクチンについて

市町村の公費負担の子宮頸がんワクチン接種についてのお知らせです。

公費負担の子宮頸がんワクチン接種対象者のうち、高校1年生の方は、公費対象で接種できる期間がぎりぎりになっています。

9月にHPでお知らせいたしましたが、子宮頸がんワクチン(ガーダシル)は、
初回接種後、2ヶ月あけて2回目を接種、6ヶ月あけて3回目を接種するのが通常のスケジュールです。
ただし、事情によりこのスケジュールで接種できなかった人は、

1回目接種後、2回目の接種は1回目の接種から少なくとも1ヶ月以上、3回目の接種は2回目の接種から少なくとも3ヶ月以上の間隔をあけて接種する ことが認められています。

11月中旬までに接種すれば、年度内で3回接種をすることが可能です。



以下、産婦人科学会HPより抜粋です。
参考にされてください。

日本においては 2010 年度から HPV ワクチン接種に対する公費助成が開始され、2013 年 4 月に予防接種法に基づき定期接種化されました。しかしながら接種後に広範な疼痛 や運動障害などの多様な症状が報告され、わずか2ヶ月後の同年6月に接種の積極的勧 奨の一時差し控えが発表されました。定期接種としての位置づ けは変わっていませんが、積極的勧奨の一時差し控えは継続されたままになっています (2020 年 6 月現在)。公費助成当時の接種対象であった 1994〜1999 年度生まれの女子 の HPV ワクチン接種率が 70%程度であったのに対して、2013 年 6 月の接種の積極的勧 奨差し控えにより 2000 年度以降生まれの女子では接種率が劇的に低下し、欧米やオーストラリアなどとの大きな差ができてしまいました。特に 2002 年度以降生 まれの女子では 1%未満の接種率となっています。その結果として、将来 の日本では、接種率が高かった 1994~1999 年度生まれの女子においては HPV 感染や子 宮頸がん罹患のリスクが低下する一方で、2000 年度以降に生まれた女子ではワクチン 導入前世代と同程度のリスクに戻ってしまうことが予測されています。
最近の報告によれば、HPV ワクチン初回接種率は、1994~1999 年度生まれでは 55.5~78.8%、2000 年度生まれが 14.3%、2001 年度生まれが 1.6%、2002 年度以降生まれは 1%未満と算出されています 。

 日本においてワクチン接種後に報告された広範な疼痛や運動障害、起立性調節障害な どを含む多様な症状に関しては、国内外において多くの解析が慎重に行われてきました が、当該症状とワクチン接種との因果関係を科学的・疫学的に示した報告はありません。 
2015 年 9 月の第 15 回の厚生労働省副反応検討部会において、接種後に副反応疑い として報告された多様な症状は機能性身体症状であるという見解が確認されています。 また国内でのべ 890 万回接種(約 338 万人)を対象とした有害事象が検討され、多様な 症状(頭痛、倦怠感、関節痛、筋肉痛、筋力低下、運動障害、認知機能の低下、めまい、 月経不整、不随意運動、起立性調節障害、失神、感覚鈍麻、けいれん等)が未回復であ る症例(追跡できなかった方や未報告の症例は除く)の頻度は 10 万人あたり約 5 人 (0.005%)であると報告されました 。  2017 年 11 月の厚生労働省の第 31 回副反応検討部会において、国内における HPV ワクチン接種後に生じた症状の最新の報告頻度が公表されました。これによると、2017 年 4 月末までの副反応疑い報告数は 3,080 人(10 万人あたり 90.6 人)であり、うち医 師又は企業が重篤と判断したものは 1,737 人(10 万人あたり 51.1 人)でした。

日本産科婦人科学会は、解説文および一般の皆様向けのさらに簡潔な解説文をホ ームページに公表しています 。その他にも横浜市立大学の研究グループは YOKOHAMA HPV PROJECTとしてホームページ上に HPV ワクチンに関する最新の情報を掲載してい ます。

どんなワクチンであっても、ワクチンには有効性(ベネフィット)と副反応(リスク) の両方があり、ベネフィットがリスクをはるかに上回る場合に推奨されます。HPV ワク チンが国際的に広く推奨されているのは、社会全体におけるベネフィットがリスクをは るかに上回るという科学的根拠に基づいているのです。接種をうける側、接種を担当す る医療者の双方が HPV ワクチンについて科学的根拠に基づく正しい知識を共有した上 で、相互の信頼関係のもと、接種をするかしないかを1人1人自らが選択することが重要です。  

厚 生 労 働 省 HP 「 HPV ワクチンの接種を検討している お子様と保護者の方へ」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/dl/hpv180118-info01.pdf
厚 生 労 働 省 HP 「 HPV ワ ク チ ン を 受 け る お 子 様 と 保 護 者 の 方 へ 」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/dl/hpv180118-info02.pdf

2020.10.28

睡眠障害のお話 その④

昨日に引き続きまして、睡眠障害の治療について、最終回です。

真打登場!その名はベルソムラ。
ベルソムラ(一般名:スボレキサント)は、オレキシン受容体拮抗薬に分類される新しい睡眠薬になります。

オレキシンは、視床下部のニューロンから産生される神経ペプチドであり、覚醒の調節に重要な働きをしていることが最近の研究で明らかとなっています。
オレキシンは生理的に変動しており、日中は増加し、夜間は減少しています。
ベルソムラは、覚醒の維持に重要な物質であるオレキシンの働きをブロックすることで、睡眠状態を促すお薬になります。

ベルソムラは、寝付きも良くし、中途覚醒も減らすと言われており、入眠障害・中途覚醒、両方のタイプの不眠に使えます。
ただし、どの睡眠薬にもみられますが、副作用に「眠気」「傾眠」「倦怠感」があります。
また、ベルソムラがレム睡眠(浅い睡眠)を多少増やすことで夢を見やすくなり、悪夢をみることがあるようです。

2014年に発売されたところなので、これから処方された症例の結果が蓄積され、はっきりした効果が報告されてくると思います。

長々と書きましたが、要点は次のとおり。

睡眠薬使用の心得
1、睡眠薬を使用する前に、睡眠衛生指導12の指針を確認
2、睡眠時無呼吸、むずむず脚、精神疾患(うつ病)、高齢者、せん妄には注意
3、もし使用するならスボレキサント>ラメルテオン>エスゾピクロン・ゾピクロン>ゾルピデム>それ以外のベンゾジアゼピン
4、投与前に持ち越しやふらつきなど副作用を説明、投与後には副作用チェックを
5、不眠が改善すればなるべく早く止める

だそうです。
なるほど。お勉強になりました。
さあ、寝よう。脳を使いすぎたせいか、ぐっすり寝れそうです・・。
 

 
2018.06.23

睡眠障害のお話 その③

気付けば1週間があっという間に過ぎていました・・。

本日は、ベンゾジアゼピン系のお薬を使わない治療のお話です。
 

ベンゾジアゼピン系の薬は、脳の機能を低下させ、覚醒に働いている神経活動を抑えることで、眠気を促していきます。

それに対し、今回ご紹介するロゼレム(一般名:ラメルテオン)は、睡眠・覚醒の周期に関係する生理的な物質の働きを調整し、睡眠状態に仕向けていくお薬です。

私たちの体の中には「夜になったから眠る」という体内時計による睡眠機構があります。これによって、自然な睡眠が可能になります。
体内時計を調節するためには脳の松果体のホルモンが関わっており、このホルモンをメラトニンと呼びます。

通常、朝に太陽の光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制されます。その後、14から16時間後の夜になるとメラトニンが分泌され始めます。
視交叉上核に多数存在しているメラトニン受容体には、催眠作用や睡眠リズムを調節する機能があるとされており、その受容体であるM1受容体とM2受容体には、それぞれ次のような作用があると考えられています。
・M1受容体:刺激すると、神経発火を抑制したり、体温を低下させることなどにより睡眠を促す。
・M2受容体:刺激すると、体内時計を同調したり、後方にずれた睡眠位相を前方に移動させる位相変動作用を持つ。
このメラトニンと同じような作用をする薬=ロゼレムを外から投与すれば、体内時計を調節することができるというわけです。

 

ロゼレムは効果に時間がかかることも多く、2~4週間ほど使い続けていくうちに効果が認められることもあります。
また、ロゼレムの副作用としては、眠気、頭痛があります。

ロゼレムは作用時間は短く、お薬の成分は比較的早くに身体から抜けていきますが、生理的な物質に作用するお薬なので、効果にも個人差がみられます。

ロゼレムで眠気が認められた場合の対処法としては、

  • お薬の量を減らす、服用時間を早める、他の睡眠薬に変えるなどがあります。

え?ほかの睡眠薬??
あるなら、それ教えてよ!・・と思われる皆様のために、
真打登場!!!!
・・・は、また次回に。

  

 



 
2018.06.22

睡眠障害のお話 その②

今日は、睡眠障害の治療の話の続きです。

さて、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、依存性や離脱症状の問題で、世界的に投与制限の方向に動き出しているということでしたが、じゃあどうするのかと言うお話です。

まずは、睡眠に関する正しい知識をもち、生活を改善しましょう!!
睡眠障害対処 12の指針 というのが厚労省の研究班からでております。

 1.睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分

  •    睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
  •    歳をとると必要な睡眠時間は短くなる

 2.刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法

  •    就床前4時間のカフェイン 摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
  •    軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング

 3.眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない

  •    眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする

 4.同じ時刻に毎日起床

  •    早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
  •    日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる

 5.光の利用でよい睡眠

  •    目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン
  •    夜は明るすぎない照明を

 6.規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣

  •    朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く
  •    運動習慣は熟睡を促進

 7.昼寝をするなら、15時前の20~30分

  •    長い昼寝はかえってぼんやりのもと
  •    夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響

 8.眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに

  •    寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る

 9.睡眠中の激しいイビキ,呼吸停止や足のぴくつき,むずむず感は要注意

  •    背景に睡眠の病気、専門治療が必要

 10.十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に

  •    長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談
  •    車の運転に注意

 11.睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと

  •    睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる

 12.睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全

  •    一定時刻に服用し就床
  •    アルコールとの併用をしない

みなさん、ご自分の生活はいかがでしょうか?
まず、日々の生活を改善し、それでも眠れなければ・・・
次はお薬です。
それでは、眠くないけどまた次回。
2018.06.15
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