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睡眠障害のお話 その③

気付けば1週間があっという間に過ぎていました・・。

本日は、ベンゾジアゼピン系のお薬を使わない治療のお話です。
 

ベンゾジアゼピン系の薬は、脳の機能を低下させ、覚醒に働いている神経活動を抑えることで、眠気を促していきます。

それに対し、今回ご紹介するロゼレム(一般名:ラメルテオン)は、睡眠・覚醒の周期に関係する生理的な物質の働きを調整し、睡眠状態に仕向けていくお薬です。

私たちの体の中には「夜になったから眠る」という体内時計による睡眠機構があります。これによって、自然な睡眠が可能になります。
体内時計を調節するためには脳の松果体のホルモンが関わっており、このホルモンをメラトニンと呼びます。

通常、朝に太陽の光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制されます。その後、14から16時間後の夜になるとメラトニンが分泌され始めます。
視交叉上核に多数存在しているメラトニン受容体には、催眠作用や睡眠リズムを調節する機能があるとされており、その受容体であるM1受容体とM2受容体には、それぞれ次のような作用があると考えられています。
・M1受容体:刺激すると、神経発火を抑制したり、体温を低下させることなどにより睡眠を促す。
・M2受容体:刺激すると、体内時計を同調したり、後方にずれた睡眠位相を前方に移動させる位相変動作用を持つ。
このメラトニンと同じような作用をする薬=ロゼレムを外から投与すれば、体内時計を調節することができるというわけです。

 

ロゼレムは効果に時間がかかることも多く、2~4週間ほど使い続けていくうちに効果が認められることもあります。
また、ロゼレムの副作用としては、眠気、頭痛があります。

ロゼレムは作用時間は短く、お薬の成分は比較的早くに身体から抜けていきますが、生理的な物質に作用するお薬なので、効果にも個人差がみられます。

ロゼレムで眠気が認められた場合の対処法としては、

  • お薬の量を減らす、服用時間を早める、他の睡眠薬に変えるなどがあります。

え?ほかの睡眠薬??
あるなら、それ教えてよ!・・と思われる皆様のために、
真打登場!!!!
・・・は、また次回に。

  

 



 
2018.06.22
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