愛媛県松山市の婦人科|松岡婦人科クリニック | クリニックブログ

クリニックブログ

睡眠障害のお話 その④

昨日に引き続きまして、睡眠障害の治療について、最終回です。

真打登場!その名はベルソムラ。
ベルソムラ(一般名:スボレキサント)は、オレキシン受容体拮抗薬に分類される新しい睡眠薬になります。

オレキシンは、視床下部のニューロンから産生される神経ペプチドであり、覚醒の調節に重要な働きをしていることが最近の研究で明らかとなっています。
オレキシンは生理的に変動しており、日中は増加し、夜間は減少しています。
ベルソムラは、覚醒の維持に重要な物質であるオレキシンの働きをブロックすることで、睡眠状態を促すお薬になります。

ベルソムラは、寝付きも良くし、中途覚醒も減らすと言われており、入眠障害・中途覚醒、両方のタイプの不眠に使えます。
ただし、どの睡眠薬にもみられますが、副作用に「眠気」「傾眠」「倦怠感」があります。
また、ベルソムラがレム睡眠(浅い睡眠)を多少増やすことで夢を見やすくなり、悪夢をみることがあるようです。

2014年に発売されたところなので、これから処方された症例の結果が蓄積され、はっきりした効果が報告されてくると思います。

長々と書きましたが、要点は次のとおり。

睡眠薬使用の心得
1、睡眠薬を使用する前に、睡眠衛生指導12の指針を確認
2、睡眠時無呼吸、むずむず脚、精神疾患(うつ病)、高齢者、せん妄には注意
3、もし使用するならスボレキサント>ラメルテオン>エスゾピクロン・ゾピクロン>ゾルピデム>それ以外のベンゾジアゼピン
4、投与前に持ち越しやふらつきなど副作用を説明、投与後には副作用チェックを
5、不眠が改善すればなるべく早く止める

だそうです。
なるほど。お勉強になりました。
さあ、寝よう。脳を使いすぎたせいか、ぐっすり寝れそうです・・。
 

 
2018.06.23
Copyright © 2017 松岡婦人科クリニック All Rights Reserved.